黒にんにくが癌の予防になるというウワサの真相は

日本人の死亡原因の1位はここ30年ほどガンが1位です。
だからこそ、ガンの予防に効果がありそうなものって当然興味がわくものです。

様々なものがガンに良いって噂や都市伝説のようなものを耳にしますが、その中で「黒にんにくがガン予防に良い」って聞いたことありませんか。
本当かなと思って調べてみたところ、必ずしも根拠がない話じゃないのです。

今回は、黒ニンニクとガン予防についてじっくりと説明します。
研究だったり論文だったりの話なので、専門用語も少し出てきますが、大事なポイントなので頑張っておつきあいください。

黒にんにくとガン予防の関係性

生のニンニクとガン予防についてはこちらに情報をまとめましたが、ここでは黒ニンニクが癌の予防に効果があるのかについてです。

生のニンニク自体がガン予防効果があっても、黒ニンニクとなると変質していて、効果がない可能性もあります。

これについては、まず、2007年に藤田保健衛生大学の新保寛教授のグループから出された論文が話題を呼んだので、そちらを見ていきましょう。

新保寛教授グループの研究結果(2007年)

発表された研究内容では
 「ラットに発がん剤を投与したのち、2ヶ月間黒ニンニクを5%含む餌で飼育し、大腸前がん病変の形成の有無を調べたところ病変形成が有意に抑制された」とされています。

“前がん病変”というのは、それ自体は癌ではないけれども、癌が発生する頻度が高いと経験的に理解されている疾患を意味しているので、その形成が抑制されたということは、黒ニンニクを食べていたことでガン予防につながったといえるわけです。

また、この研究では副作用があったかどうかも調べられていますが、体重、肝臓の重さ、血液のいずれにおいても毒性が認められなかった、すなわち副作用はなかったと報告されています。

この研究により、黒ニンニクが安全性の高い大腸発がんの予防食品になり得ることが示唆されたのです。

 
黒ニンニクのガン予防作用に関する研究は、その意義も大きいですし、その後も今にいたるまでコツコツと積み重なってきています。

そもそも、発がんは、イニシエーション(起始)、プロモーション(促進)、プログレッション(進展)、悪性転換の4つの連続的な段階で特徴づけられますが、上の2007年の研究はイニシエーション段階でのものでした。

その次の段階であるプロモーション段階における研究結果として、2011年に「ポストイニシエーション期に投与した高温高圧処理ニンニク粉末による1,2-ジメチルヒドラジン誘発ラット大腸前がん病変抑制作用」という論文が発表されています。

千原猛准教授グループの研究結果(2011年)

この研究では、厳密な黒ニンニクではなく、抗酸化能力を高め生ニンニクの臭いを抑えるために高温高圧で処理をした「高温高圧処理ニンニク」を使用しているのですが、広い意味では”黒ニンニク”だと研究者は言っています。

この実験では、「ラットに発がん剤(1,2-ジメチルヒドラジン)を投与したのち、高温高圧処理ニンニクを含む餌で6週間飼育し、大腸前がん病変(ムチン枯渇巣)の形成の有無を調べたところ、3%の高温高圧処理ニンニクを含む餌で飼育されていたグループで、病変形成が有意に抑制された」とされています。

つまり、異なる段階にある個体にも、ニンニクが癌予防効果を発揮することが示唆されています。

また、この研究でも、副作用も認められていません。

 
さらに、その後、高温高圧処理ニンニクではなく黒ニンニクを用いた研究も発表されています。

新保寛教授グループの研究結果(2016年)

薬理と臨床(2016年8月)に掲載された「大腸発がんに対する黒ニンニク(高温高圧処理ニンニク)の抑制効果」という論文です。

この実験では、「ラットに発がん剤(1,2-ジメチルヒドラジン)を投与したのち、黒ニンニクを含む餌で6週間飼育し、大腸前がん病変(ムチン枯渇巣)の形成の有無を調べたところ、5%の黒ニンニクを含む餌で飼育されていたグループで、病変形成が有意に抑制された」とされています。

つまり、高温高圧処理ニンニクだけでなく、黒ニンニクにも、ポストイニシエーション期の大腸がんを予防しうることが示唆されたわけです。

なお、この研究でも、副作用は認められていません。

黒ニンニクとガン予防のまとめ

その内容からして、人体を使っての研究は難しいため、ラットを使った研究結果が並ぶ形になりますが、それでも、黒ニンニクが癌を予防してくれる何らかの力を持っていることが示唆されています。

ある研究では、ラットに高温高圧処理ニンニクを多く与え過ぎると前がん病変の抑制効果が弱まったという結果もありました。
たくさん、黒ニンニクを摂り過ぎても、効果がなくなってしまう可能性があるので、ほかの食べ物同様、適量を適度に摂るようにしましょうね。