ニンニクとガンに関する研究は世界各国で続いている

アメリカのデザイナーフーズ計画がニンニクが癌予防に有効だと発表した件については別の投稿で説明しましたが、それ以外にも、世界各国でニンニクとガンに関する研究は進められています。

今回は、その一部についてご紹介していきます。

アメリカのワイスベルガー博士がニンニクに含まれるアリシンに着目

時代はかなりさかのぼって1953年。アメリカ、クリーブランドのケースウエスタン大学のワイスベルガー博士は、ニンニクに含まれるアリシンがガン細胞に働きかけるのではないかと、ラットに投与。
アリシンを与えていないラットが16日間生存したのに対し、アリシンを与えたラットは6か月間生存したのです。
(参照:Garlic and Allicin and Other Sulfur-Containing Compounds as Anticancer Agents

この研究結果は、後々の世界中の研究に大きな影響を与えました。

中国の北京がん研究所による「ニンニクと胃癌リスクの減少」

日本もそうですが、中国でもライフスタイルや環境の変化に伴いがん患者数が急増し、ガン患者を減らし、ガンの致死率を下げることが急務となっています。

1989年に北京がん研究所(Beijing Institute for Cancer Research)が発表した研究結果によると、564人の胃がん患者と、胃がんではない1131人に対して調査を行ったところ、ニンニクやニラなどのアリウム野菜を多く摂っている集団は、摂っていない集団に比べ胃がんの発癌率が40%に留まった。
(参照:Allium vegetables and reduced risk of stomach cancer. – PubMed – NCBI

この研究ではニンニクだけにターゲットを絞った調査ではありませんが、ニンニクを含むアリウム野菜が、胃がん発生になんらかの関連性をもっていることを示唆した調査として注目を集めました。

日本と中国の共同研究「ニンニクの胃がん・食道がんへの保護効果」

1999年6月の「Cancer Science Vol.90 Issue 6」に掲載された日本と中国の共同研究では、中国江蘇省の中で胃がんと食道がんの発生率が最も高い地域の一つである揚中市にて、これら2つのがんの発生率とアリウム属の野菜の摂取量の関係が調査されました。

その結果、アリウム属の野菜を週に1回以上食べている人は、月に1回以下の人に比べて、胃がんや食道がんの発生は3分の1程度であったと報告されています。

この研究によって、胃がんだけでなく、食道がんにも、ニンニクをはじめとするアリウム野菜は好影響を与えていることが示唆されました。

(参照:Protective Effect of Allium Vegetables against Both Esophageal and Stomach Cancer: A Simultaneous Case‐referent Study of a High‐epidemic Area in Jiangsu Province, China

シドニー大学のシドニーメディカルスクールによる「ニンニクは胃癌リスクを減らすか?」

2015年にシドニー大学のシドニーメディカルスクール(The Whiteley-Martin Research Centre, Discipline of Surgery , The University of Sydney, Sydney Medical School)が発表した研究結果によると、過去20年間における、ニンニクの摂取量と胃がんの発がん率に関する研究を医学研究データベースにて検索し、14件の症例研究、2つの無作為抽出研究と 1つのコホート研究を解析。ニンニクの摂取量が多い上位1/4の群は、最も胃がんの発症リスクが低いことが導き出されました。
(参照:Meta-analysis: Does garlic intake reduce risk of gastric cancer?

ニンニクと癌に関する世界各国での研究のまとめ

ニンニクとの馴染みの深さゆえか、中国、台湾をはじめとするアジアで特に盛んではありますが、このように、現在もなお世界各国においてニンニクと癌に関する研究は続いています。

日本でも、昭和大学医学部客員教授の新居裕久医学博士が「ニンニクに含まれているセレニウムが、胃がんだけではなく、他のガンも押さえてくれる」と述べていたり、関西女子短期大学教授の永井勝次医学博士が「ガンを予防する力をもっているのは、ニンニクに含まれている有機ゲルマニウムであろう」と述べているなど、依然として注目の研究テーマですし、各種関連書籍も発刊されています。